図書室のラブレター
本当に大丈夫みたいだ。
だから、
「大丈夫ですけど…」
「じゃあ、
10時ぐらいにMIYのビル前で」
それだけ言って
飛んで帰って行った。
ビル前ってことは本当に
教えてくれるだけかもしれない。
近くには
遊べるようなところはない。
ショッピングビルと
小さなカフェが何店か
あるくらいだから。
私はホッとした。
何がきっかけか
分からないけれど。
***
「そんな簡単に
諦めるわけないじゃん…」
冷たい風が吹き抜ける夜の路地。
「恋愛は誰かから奪うからこそ
両想いになるんだ…」
ピューっと木枯らしが
吹き去っていった。