図書室のラブレター




本当に大丈夫みたいだ。


だから、



「大丈夫ですけど…」


「じゃあ、
10時ぐらいにMIYのビル前で」




それだけ言って
飛んで帰って行った。



ビル前ってことは本当に
教えてくれるだけかもしれない。


近くには
遊べるようなところはない。


ショッピングビルと
小さなカフェが何店か
あるくらいだから。



私はホッとした。


何がきっかけか
分からないけれど。




***




「そんな簡単に
諦めるわけないじゃん…」



冷たい風が吹き抜ける夜の路地。




「恋愛は誰かから奪うからこそ
両想いになるんだ…」




ピューっと木枯らしが
吹き去っていった。



< 123 / 293 >

この作品をシェア

pagetop