図書室のラブレター
私の小さな文字
『何を見てるの?』の
横に書かれた大きな文字。
それは花井君らしく
大きくて太くて豪快だった。
『内緒だ!!』
たったそれだけ。
「…何、コレ……」
たったそれだけなのに
おかしい。
「プッ…アハハハハ……」
なぜか笑いが込み上げてくる。
古臭い図書室の中を
たったひとりで
お腹を抱えて笑った。
それほどまでに
殴り書きの文字は
力強い文字だった。
同時に私に
強い印象を残していった。
それが私達の最初に交わした
コンタクト。
初めてのレターだった。
あなたはどういう声で
話しかけるのですか?