図書室のラブレター



でも俺たちの実力は
バラバラだった。



晴樹は柔道もしてたから
すぐにグループの奴らに
気に入られていった。



それに比べて俺は最悪だった。



完璧なお荷物は
裏方に回るしかなかった。



そして少しずつ
兄貴たちがしてきたことを
目の当たりにした。


それは悲惨で
胸が締め付けられるようだった。




最前線で戦うアイツは
もっと辛かったに違いない。


時々、裏で
腹を抱えて苦しんでたよ。






そんな日々が過ぎて
俺たちが高2に進級した。



その時に
心を揺さぶる事件が起きた。



それは脱退だった。



俺たちのことを
贔屓しないで優しくしてくれた
安藤〈アンドウ〉先輩がいた。



先輩は、


「このグループを脱退したい」



と総長に言った。


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