図書室のラブレター



私も笑いがやっと治まった頃。



彼が座っていたところに
もう一度座ってみた。




何が見えるんだろう。


『内緒だ!!』って
言うぐらい。


いや、書くぐらいだしなぁ。




「それよりも今日は
見ていかなくていいのかな?」





それは私には
見えない世界なのかな。



新鮮な世界なのかな。



そんな好奇心。



本を読むときと同じ感じ──……
いや、それ以上かもしれない。




大きな窓から見えたもの。


それはやっぱりグラウンド。



今は誰もいない
グラウンドだけ。




「…何が見えるんだろう。
私にもいつか見えるのかなぁ…」



そしてグラウンドと
机に書かれた落書きを
交互に見て再び微笑んだ。


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