図書室のラブレター
でも晴樹は何の相談も無しで
勝手に決めていた。
「俺、もう決めた」
「は?」
「新月から脱退する」
俺だけに最初に話してくれた
彼の表情は真剣だった。
でも俺の頭によぎったのは
安藤先輩だった。
晴樹まで
同じ目にあうのは辛い。
「やめろよ!!」
俺の言葉を聞かずに
真っ先に向かったのは
総長のところだった。
「総長、俺、脱退する」
「晴樹、自分が何言ってるのか
分かってるのか?」
「あぁ。
安藤先輩が辞めた理由もな」
俺はまたいつものように
覗き込んで見ていた。
「こんなクソ連中より、
外の方がずっと面白い!」
それは絶対に
蓮実の事だって後で気付いた。