図書室のラブレター
STAGE5
Straight―まっすぐ―
私はとにかく走った。
苦手な運動だけど、そんな弱音を
こんな時に言ってはいられない。
息も切れ切れに
学校に向けて走る。
近づく度に、
生徒たちが逆方向に走って行く。
まるで化け物でも
見たような表情をしていた。
そして逃げ去っていくのだ。
私はもうすぐ門に辿り着く。
もう、息も切れ切れだ。
門前に見覚えのある
後姿が座り込んでいた。
(結依…)
間違いない。
「結依!!」
その私の声に振り返る。