図書室のラブレター
「あれが…彼氏?」
「…違う」
「やっぱり。
あれは嘘で…」
「違うよ」
「え?」
「本当はね、
もっとカッコいいよ」
本当はもっとカッコよくて、
もっともっと優しい。
不器用すぎるけれど、
優しいんだよ。
ちょっとお茶目なとこもある。
晴樹君の本当の姿を知ったら、
結依も納得してくれるだろう。
それに
話だって合うと思っていた。
結依はうつむいたまま、
ゆっくりと口を開いた。
「どうして…」
「結依には
本当に悪いと思ってる」
はっきりと言わなかった
私のせいだ。
いつも彼女は私の心配を
してくれていただけなのに。