図書室のラブレター
何も言えなくて、
追うことも出来ない。
ついに彼女の姿は
煙の中に消えてしまった。
「あのさ…」
後ろからかけられた言葉に
振り向き返す。
そこにいたのはさっき蓮実を
呼びに来た人だった。
「えっと…」
「俺、龍慈って
言うんだけど……」
「そう」
「じゃなくて、
本当に絶交する気か?」
さっきまでの話を
聞かれていたんだ。
「あなたに関係ない」
「あなたじゃなくて、龍慈」
「どうでもいいでしょ!」
「どうでもよくないだろ!!」
そして溜息をついていた。