図書室のラブレター



だからグループ「新月」の
総長に掛け合おうとした。



それが一番
早いかもしれないから。



話し合いだったら
私でも出来る。



名前を呼ぼうとした。


しかし呼びかけて止まる。




(待てよ。
名前なんて知らない…)




自分の情けなさに
がっかりした。



そこで私はとりあえず
晴樹君の名前を叫んだ。



もしかしたら私だって
気付いてくれるかもしれない。



もしかしたら争いを
やめてくれるかもしれない。




「晴樹君!」


「晴樹君!!」




何度も呼びかける。


しかし返答はない。


周りの音がすごくて響かない。


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