図書室のラブレター
「私を連れて行って」
龍慈君は
大きく首を縦に振った。
諦めない。
「ちゃんと
向き合いに行く」
さっき晴樹君の声がした方を
私は見据えた。
傍に行くから。
もう少しで
あなたの傍に行くから。
すぐに行くから。
だからもう少しだけ
待っていて。
「蓮実、俺につかまれ」
「うん」
私は龍慈君の手を取る。
龍次君は私を連れて行く、
道標のようだった。
その道標に沿って走り出した。
あなたに
もう一度逢うためだけに。