図書室のラブレター
「いいからよく聞け」
「うん」
「一度しか言わないから」
「分かった」
私は出来るだけ耳を澄ます。
「ここから先は叫ぶな」
「え?」
「あいつの名前も呼ぶな」
何を言いたいのか
さっぱり分からなかった。
それでも従うことにする。
今は時間が惜しい。
「分かった」
そして再び向かい始めた。
砂煙が舞う中。
音も届かない中。
やっと視界が晴れる。
やっと、逢えた。
彼は全身に怪我を負っていた。
それでも戦い続けていた。