図書室のラブレター
相手を交わしては
拳をぶつけるだけ。
殴って、殴ってのくり返し。
殴って、殴られて、また殴って。
血の匂いも
充満して気持ち悪い。
彼の眼は獣のように鋭く、
怖いという印象だった。
そんな悲惨な有様に
目を覆いたくなった。
晴樹君の後ろ側から
1人の男が襲いかかろうとする。
手に持っていたのは
銀色に輝く刃物だった。
「晴樹君!」
気が付けば、叫んでいた。
たくさんの涙を散らして。
横で龍慈君が
なんとも言えない顔をしていた。
でも私は無我夢中だった。
危ない。
そこから離れて。
もう争わないで。
「晴樹君!!」