図書室のラブレター
「お前には何も聞いてねぇよ」
そして再び奴らの
視線が注がれる。
俺も再び晴樹に目をやった。
晴樹の言いたいことは
分かっているつもりだ。
晴樹は一生懸命に
ずっと目で訴え続けてきた。
このまま、
お前の彼女という事にしろと。
そしたら
蓮実を守る事は出来る。
最低でも彼女を
助けることは出来るから。
だから、
お前が守ってくれ。
そう訴えているようだった。
確かに俺は
まだ裏切り者ではない。
俺の安否を気にして
潜りこんでしまったと
言えばいいのだ。
理由なんて何でも作れる。
そしたら彼女を
助けられるから。
「龍慈、
はっきりと言え!」
そして脅しと言うように
蓮実にナイフが向けられた。