図書室のラブレター
Desition―決着―
***
蓮実は何も出来ずにいた。
私はただのお荷物だ。
こんなことになったのも全て、
私のせいだ。
助けに来たのは
自分だったはずなのに。
突きつけられたナイフが
冷たく少し触れた。
『助けて』って大きな声で
言いたいのに声が出ない。
晴樹君は私を
龍慈君の彼女だと言う。
俺は関係ないって。
これは嘘だ。
私を守ろうとする嘘だと
分かっていた。
でも嬉しさより、
寂しく感じた。
「彼女じゃない」
龍慈君は断言する。
思わずのことで
顔を上げた。
だって、
まさかだったから。