図書室のラブレター
「この女が
どうなってもいいのかよ」
「良くねぇよ。
だから助ける!」
力強い響きだった。
下手に手を出したら危険だ。
まず私が殺されてしまう。
でも一瞬だった。
瞬きしたかどうかの時間だ。
気が付けば、
首元にあったはずの
ナイフの冷たさを感じない。
視線をやると、
ナイフは消えてしまっていた。
「さすがは『鋼龍』。
一瞬だな」
総長の言葉通り、
晴樹の手には
ナイフが握っていた。
「本当なら、
殺せるんだぜ」
晴樹君は
ニヤリと嗤っていた。
「なら、殺してみろよ」
そして晴樹君は
ナイフを突きつけた。
総長の首元に。