図書室のラブレター
「蓮実…」
名前を呼ぶ君は
どこか悲しそうに言う。
「何?」
そのあとに
言われた言葉。
信じられなかったんだ。
どうしても
信じたくなかった。
そのまま彼は、
まっすぐに帰って行く。
一度も振り返らずに。
何も言い返すことが出来なくて、
ただ茫然と立ち尽くす。
一瞬だったのに、
脳裏に焼き付いた。
涙も出ないほど突然で、
頭は真っ白だ。
私の後ろから、
もう1人の彼が呼びかけた。
振り向くことすらも
出来ない私。
彼はそんな私の
隣に立っていた。