図書室のラブレター



他にも委員の人はいるが、
いつも来ないのだ。


まぁ。


借りに来る人も
誰もいないけれど。



先生は笑ってまた私に
お願いすると帰って行った。




「また、
片付けかぁ…」




先生は片付けを
押し付けていく。



自由に使うことを条件に。




「『自由』かぁ…」




何が自由なのか
分からない。



何が正しいのか
分からない。



私は彼を
守る事が出来なかった。



私はこっそりと彼が
いつも座っていた席に座る。



ここから見える
すべての景色が悲しい。



だけど、
見られないのも悲しい。


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