図書室のラブレター
大きなため息がこぼれた。
――ガチャ
いつも全く
開かない扉が開く。
私は期待を抱きながら
その方向を見る。
〝もしかしたら〟の
思いがぬぐえない。
颯爽と入ってきたのは
キレイな女性だった。
真っ黒のロングな髪を
なびかせていた。
分かっていたのに。
それでもと
思ってしまう。
「…?」
「あ、
なんでもありませんから」
「でも、
顔色悪そうよ?」
「え、本当に?」
私は顔をペタペタと触る。