図書室のラブレター



「まだ間に合うよ。
だって行動するのは
あなたでしょ?」




私は彼女の言う意味を
理解できなかったんだ。




「先のことなんて
誰にも分からない。
誰が遅いって決めたの?」




彼女は優しく言う。



でも優しさの中に
強さがある気がした。




涙がさっきより
流れ落ちた。




「…まだ間に合うかな?」


「まだそれを言うの?」


「…ごめんなさい」


「あなたなら、
まだ何かできると思うよ」


「本当に?」


「だって、あなたまだ何も
行動に動かしてないでしょ?」




くり返し、
優しく微笑んでくれる。


< 221 / 293 >

この作品をシェア

pagetop