図書室のラブレター

Window―窓―




勝手に授業は
進んでいくばかり。




3時間目の終わりに
花井 晴樹は登校したらしい。



相変わらず傷だらけで
教室に入って来たらしい。



違うクラスの人たちが
ひそひそと話していた。




そしてまた
変な噂が流れていた。




「昨日の夜に路地裏で
かつあげしてたんだって」


「うそぉ…」


「しかも
大人から取ったみたいで…」  


「最悪じゃん、アイツ」




つまらない噂は
どんどん大きくなるばかり。



(直接言えないくせに…)



先生も手を付けられないのか
何も言う様子は無かった。



誰一人として
本人に聞かない。



私も聞いた事は無い。




そんな異常な事やってるなんて
私は思わない。



でも、耳にするのが怖い。




……私も、
人のこと言えないよ。


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