図書室のラブレター



「それはね…」


「ちょ…」




結依が言うのを遮って、
沙菜さんは教えてくれた。




「あの図書室に
行く前にね…」


「え?」




そう、
教えてくれた。



沙菜さんが図書室に
来る前の約束。



結依が証言者を
探してることは分かってた。



沙菜さんが
前に教えてくれたから。



その時の約束。




「『あたしが
代わりに犠牲を払うから。
結依を助けて』

って言ったのよね」


「本当に?」




聞くまでもない。



結依は恥ずかしそうに
顔をそむけていた。


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