図書室のラブレター
でも、
今は違うかもしれない。
あそこは彼にとって
嫌いな場所に
なったかもしれない。
「あそこ壊すのよ。
誰も来ないのに予算だけが
かかってばかりだもの」
沙菜さんは冷たい
眼差しで淡々と告げる。
私も何も言えなかった。
だって
それは本当だったから。
誰も借りに来ない。
誰も読みに来ない。
誰も図書委員として
出席しない。
反抗できるところなんてない。
「龍慈君もういいの。
私が決めたことだから」
「蓮実も
なんでこんなこと…」
「だって本当だから!
ここには誰も来ない!」
そう、
私と晴樹君以外は。