図書室のラブレター
蓮実も自分で言った
言葉に気付く。
恥ずかしそうに
顔を赤く染めた。
「…そうだな」
俺は笑う。
こんなにも穏やかに
笑ったのは久しぶりだ。
そして少しして蓮実は
今日は帰って行く。
俺はその後ろ姿を
見送っていた。
愛しい彼女の後姿。
でも、
明るくて元気な後姿。
俺の好きな後姿だ。
「おい!」
「あ、龍慈」
「さっきから
ずっと呼んでんだけど」
どこか偉そうに
腕を組んでいた。
蓮実を庭に入れた犯人は
龍慈だとそこで確信した。