図書室のラブレター
本当なら
最後を惜しむように
毎日通いたい。
でも通ったら、
もっと寂しく感じる。
辛く感じる。
だから一度も
踏み入れる事はなかった。
けれど
それで良かったのだ。
知らないうちに
私たち2人の会話から
図書室の話題は
消えていったんだ。
「晴樹君!」
今日もお昼ご飯を
一緒に食べようと誘う。
すると彼はまだ慣れないのか
恥ずかしそうしていた。
そして早々と
教室から出て来る。
「いいから、行こ!」
「…お、おう」
2人の異色カップル。
堂々と廊下を歩く。