図書室のラブレター
私は聞きたくないと
つい思ってしまった。
だから
顔をそむけてしまった。
「終業式の翌日に
壊すことが決まったわ」
「え?」
「あの場所に
新しい校舎を建てるのよ」
「新しい校舎?」
「えぇ。
生徒たちにとって
必要な場所づくりよ」
「…そうですか」
私は
そう言うしかなかった。
今の図書室は誰にも
必要とされていない。
古臭いし、
カビ臭い場所。
でもね、
私はそこが好きだった。
でも全校生徒は
必要としていないのだ。
改めてがっかりした。
「その中に小さくなるけど
図書室が出来る予定よ」
沙菜さんはそう言うと
帰って行った。