図書室のラブレター



***



俺の為に
あの場所がなくなる。



彼女は気を使って
最初は言ってくれなかった。



龍慈に言われて
気が付いた。



でも俺が問い詰めると
蓮実はちゃんと話してくれた。



そして
言ったんだよな。




「心配を
かけたくなかった」って。



気を使ってくれるのは
嬉しいよ。



でももっと嬉しかったのは
正直に言ってくれたから。



同時に
本当なんだと実感した。



嘘じゃなかった。



図書室は
もうすぐ壊される。



沙菜が言っていたこと。



何か重要なことを
言っていた気がした。


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