図書室のラブレター
そして一番近くの
机に近づいた。
そこには一面に
『愛の告白』が記されていた。
『愛してる』
『好きだー!』とか。
たくさん書いてあった。
私は指で愛しくなぞった。
今度は古びた掛け時計にも
『一生一緒だ!』って
大きく書かれてある。
染みの消えないカーテンも
カラフルなペンで
埋め尽くされている。
もちろん『愛の告白』で。
薄暗い部屋も明るく思えた。
全てが『愛の告白』で
埋め尽くされていた。
ここには知らない間に
たくさんの言葉が詰まってた。
そこへほこりの匂いが
漂う図書室に
清々しい春風が舞い込む。
大きな窓から
少し早い春風が吹く。
もちろんガラスにも
『愛の告白』が記されてた。