図書室のラブレター



夢中で
意味が分からなくて。



何が起こったのか
理解できなくて。



だからうしろから
人が入ってきたことに
気付かなかった。




「…驚いただろ?」


「え?」




私は声を聴いて振り返る。



声の主は分かってた。



晴樹君だってことを。




「全て見たか?」


「…見てない。
っていうか何?
このたくさんの言葉!?」


「確かに『何これ?』
って感じだよな」




そう言って晴樹君は
高らかに笑う。



私はより一層、
分からなくなった。


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