図書室のラブレター



「『噂を流して欲しい』って
言い出したんだよな」




横で晴樹君が頷く。



私は聞き返した。




「噂?」


「あぁ。
『図書室に言葉を書いた
2人は結ばれる』」


「図書室に言葉を書いた
2人は結ばれる?」




私は聞き返した。



すると恥ずかしそうに
晴樹君は口を開いた。




「俺と蓮実の噂を流したんだ」


「なんで?」




聞き返すと晴樹君は
机に書かれた
一番古い落書きを指す。



それは私と晴樹君が
最初に交わした手紙だった。




『いつも何を見てるの?』


『内緒だ!!』




二つの言葉。



最初のコンタクトだった。


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