図書室のラブレター
恐る恐る見ると
彼は顔を赤らめていた。
それを隠すように
片手で顔を覆うようにしていた。
これは、
あの花井 晴樹…くん?
「…なんか、ごめんね」
「…別に。
ここが一番よく見えるから」
「…そっか」
やっぱり顔が赤い。
夕日による
赤さだけじゃなかった。
「…好きな子、見てるの?」
また勝手に口がすべる。
私のバカ。
またこんなこと聞いて。
花井くんは怖くて凶暴なのに。
その小さな一言に彼も
動揺を隠しきれていなかった。