図書室のラブレター



また勝手に喋っていた。



でもそれは素直な気持ちで
どこか憧れる。


そんなにも
一途に想ってもらえるのって
やっぱり嬉しいから。




「無理しなくていいから」


「そんなこと…」


「それに俺なんかと関わったら
どうなってもしらないよ?」




得意げにやんちゃそうな
顔つきになる彼。


赤いピアスが輝いている。




「大丈夫だよ。
花井君はそんなこと
絶対にしないでしょ?」




私はクスッと笑った。


だって確信がどこかで
存在していたから。




「それにそんなに大切に
思われてる子がうらやましい」




また彼は照れていた。



と思ったら今度は
屈託の無い笑顔で笑っていた。



なんだろう。


ドクンッ



胸が思い切り跳ねた。


< 31 / 293 >

この作品をシェア

pagetop