図書室のラブレター
その小さな出来事。
それはほんの何秒かだったのに
私にはまた長く感じた。
「お前が何考えてんだよ!!」
「…なんでもないです」
「つーか、
かなり危なかったんだけ。
もう少しで本棚まで
倒れてくるとこだった」
どういうこと?
言ってる意味がよく分からない。
確かに危なっかしいのは
悪かったけど…そんなに?
だから触れ合った手とは
反対の手を見た。
ななめに倒れそうに
なっている本棚。
それを片手で支えてくれている。
軽そうに思えた。
その時にチラッと見えた筋肉。
ガッチリしてて、
すごくカッコいい。
顔が熱く火照ってきた。
そういえば、こんなにも
男の子に接近したことが無い。
身長も高くて、手も大きい。
そして肩幅も大きくて
覆われそうだ。
さらに体温は上昇した。