図書室のラブレター



「黙ってないで
どいてもらいたいんだけど…」


「あ、ごめんなさい」




私はスルリと間を抜けた。



すると一瞬でその本棚を
元に戻してくれていた。




「せめて脚立ぐらい
使えばいいじゃん」


「それが、脚立無いんだよね」


「マジかよ」


「う、うん」


「部費とかで
買ってくれねぇの?」


「学校にそんなお金無いし…」




はぁ…


大きな溜息が漏れていた。



かなり呆れているみたいだった。



普通、呆れちゃうよね。


こんなにも危なっかしくて、
心配かけちゃって。


迷惑だよね。




「アンタも女の子じゃん…」




溜息混じりに聞こえた言葉。


私は真っ赤な顔になっていたに
違いない。


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