図書室のラブレター
配達のお兄さんが
優しく教えてくれた。
商店街の八百屋のところを
右に曲がる。
そのまま真っ直ぐに暗い道に
入り込んで行ったらしい。
軽く頭を下げたあと、
しんどくても全速力で走る。
「はぁ…もうすぐで…
はぁはぁ……見つけられる…」
言われたとおりに進むと
見たことのある後ろ姿。
分かりやすい目立つ格好。
「い…いた……」
心の中で小さく
ガッツポーズを決める。
そしてバレないように
後ろをついて行くことにした。
どんどん暗いところに
進んでいく。
どういうこと?
なぜこんなにも
怪しいところに?
やっぱり、不良だから…?
そしてたどり着いたのか
立ち止まった。
目の前にあったのは……
廃屋の倉庫だった。
(花井君…)