図書室のラブレター
──ガタッ
目の前にある古びた鉄の扉。
重くて冷たくて、開きにくい。
───ガタガタッ
無理矢理こじ開けた扉。
そしてその向こう側に
何かが見えてくる。
私の眼に
飛び込んできたもの。
それは異空間の世界だった。
「花井…君?」
確かめるように囁いた言葉。
たったその一言がその場にいた
2人の視線を集める。
その感覚をハッキリと感じた。
薄暗くてタバコの匂いが
充満していて、お酒臭い。
そこは明らかに
不良の溜まり場だった。
『私が来てはいけない場所』
今さら
気が付いても手遅れだ。