図書室のラブレター
「…仲原」
「なるほど。
そいつが原因か」
割って口出ししてきたのは
一人の同い年ぐらいの男の子。
長髪の茶色い髪。
赤色のメッシュが入った
目立つ髪。
顔は整っているが、
目つきが怖い。
眉毛と耳に開けられたピアス。
首からは南京錠が
ぶら下がっている。
怖い。
寒気がする。
改めて場違いな場所に
来てしまったと後悔した。
「確かに
かわいい顔してるじゃん」
気持ち悪い笑い声が木霊する。
そしてその男が私に近づき、
腕を無理矢理に
引っ張っていく。
その握られた強さは
痛くて仕方がない。
…花井君、助けて。
勝手に来た私が悪かったよ。
認めるから。
でも声が出なかった。