図書室のラブレター



でも神様は私の味方に
なってはくれない。



待ち受け画面の右上には
『圏外』のマーク。


外との連絡は
完璧に断ち切られていた。




(…このまま見守ることしか
出来ないの?)




視線は再び2人に向けた。



相手側の彼も花井君も
口出すなって言うように
ニヤッとしていた。



私にはこの最悪な状況までも
楽しんでいるようにしか
思えない。



そのまま2人はただ一直線に
相手を見つめていた。



私なんて
いないも同然だった。




「晴樹。
この鉄拳で潰してやるよ」




──フッ



嘲笑うように鼻で笑った。



その態度に
相手がさらに怒っていた。



そして片手を拳に変えて、
ただ一直線に向かう。


もちろん、勢いよく。


< 56 / 293 >

この作品をシェア

pagetop