図書室のラブレター



言えなかった
もう1つの理由。



それは約束の十ヶ条の
最後の1つがあったから。




『絶対に
花井晴樹に関わらない事』




それが2人のルール。



危ないことには
首を突っ込まないこと。



分かっていた。



それは無鉄砲な私の為に
作ったものだってこと。



だから今は結依を
傷つけたくない。




ごめん。


ちゃんと晴樹君と好きな子を
くっつけたら言うよ。




『ごめん。
失恋しちゃったみたい』って。



もちろん笑顔で言って、
すがりつくの。



だからその時は
暖かく笑って迎えてね。



そして一緒に泣いてくれるなら
何も言わない。



だから今は少し待って…。


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