図書室のラブレター
「その子も花井君のことを
好きとは限らないし……!!」
思わず口にして
ハッと我に再び返った。
バカ、私のバカ。
もう取り返しはつかない。
「……ごめん
そんなつもりじゃ……」
「別に。
分かっていたことだった」
彼はうつむいたまま。
顔を上げてはくれなかった。
そんなこと
当たり前だよね。
嫌われて当然だよね。
そもそも私のことなんて
好きでもなんでもないのに。
「……悪ぃ」
彼はそれだけを告げて
その場から
飛び去ってしまった。