蜂蜜男子の誘惑~右にバニラ 左にチョコ~

(……つきあっ……付き合って……!?)

「っぁ……っ」

 固まってしまい、声が言葉にならない。喉でつまっていて出てこない。

(どうしよう、どうしようっ!! 本当に!?)

 汗がじわじわと出てくる手のひらをギュっと握り締め、息を飲み、YESの言葉をしぼりだそうとする。

(断る理由はないから!!)

「もっもち……」

 もちろんです!と言うはずだった。

 だけど――

「左京はボクよりは真面目でイイやつだからさ、どうかな?」

「………………え?」

「由依ちゃんって、唯一この学校でミーハーじゃないって聞いたんだ。 しかも年下だし! 左京にはピッタリ! 左京の防犯にもなるし、由依ちゃんにも彼氏ができるし! ね、どうかな?」

「…………」

「由依ちゃんなら安心なんだけどなぁ。 左京、この通りの性格だから、カワイイけど」

「右京くん、カワイイは余計です」

「え? そう? カワイイよ、左京は。 イロイロと」




 つまり。

 付き合うのは、右京先輩じゃなくて左京先輩と?
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