蜂蜜男子の誘惑~右にバニラ 左にチョコ~
先輩はフォーマル系雑誌のモデルでもあり、最近は歌も歌い始めた……いわゆる芸能人さん。
十代の女の子から上は六十代のおば様にまで人気がある。
忙しくてあまり学校にはいないみたいだけど、それでも一緒の学校に通いたい!という女の子が去年、今年と、この学校に入学してきていた。
もちろん、あたしもその一人。
でも、あたしには少し人と違うところがある。
それは……。
先輩の家の近くに住んでいる!
(……ふふ、これ結構すごくない?)
――と自分では言っているけれど、友人のキリちゃんいわく。
『それってさ、同じ学校に通ってるっていうレベルと同じじゃね?』
それでも他の女の子よりかはばったり道で会う可能性がある!
(ま、まあ……さ? まだ会ったことないけどさ?)
あとはこの事実、あたしが先輩のファンということと近くに住んでることを、友人のふたり以外は知らない……というか秘密にしている。
なぜかって?
それは――
大勢のファンのひとりと見られるのが嫌だから。ファンだと恋愛のチャンスがなくなりそうで、なんか嫌だから。
「由依ちゃんはさ」
「へ!?」
「あーごめん、勝手に名前で呼んじゃった。 大丈夫?」
「はい! 光栄です!」
「あははっ、光栄なんて大げさだなぁ。 でも……ふふ、こちらこそ光栄です、プリンセス」
(ほ、ほわぁぁぁぁぁっ)
首を少し斜めにして、ほんわりと目を細めて笑う。
あたたかくて思わずこっちまで笑顔になっちゃうキラースマイル。
(だ、だめだ。 動悸が……っ!!)
憧れの大好きな先輩が自分だけに微笑んでいる。しかもプリンセスとか言われちゃって甘く微笑まれ、大慌てなあたし。手に汗もびっしょり。
(こ、これ……夢なんかじゃないよねっ)
これ以上ないくらいに幸せにひたっていると、いきなり『これ以上』を超える質問がふってくる。
十代の女の子から上は六十代のおば様にまで人気がある。
忙しくてあまり学校にはいないみたいだけど、それでも一緒の学校に通いたい!という女の子が去年、今年と、この学校に入学してきていた。
もちろん、あたしもその一人。
でも、あたしには少し人と違うところがある。
それは……。
先輩の家の近くに住んでいる!
(……ふふ、これ結構すごくない?)
――と自分では言っているけれど、友人のキリちゃんいわく。
『それってさ、同じ学校に通ってるっていうレベルと同じじゃね?』
それでも他の女の子よりかはばったり道で会う可能性がある!
(ま、まあ……さ? まだ会ったことないけどさ?)
あとはこの事実、あたしが先輩のファンということと近くに住んでることを、友人のふたり以外は知らない……というか秘密にしている。
なぜかって?
それは――
大勢のファンのひとりと見られるのが嫌だから。ファンだと恋愛のチャンスがなくなりそうで、なんか嫌だから。
「由依ちゃんはさ」
「へ!?」
「あーごめん、勝手に名前で呼んじゃった。 大丈夫?」
「はい! 光栄です!」
「あははっ、光栄なんて大げさだなぁ。 でも……ふふ、こちらこそ光栄です、プリンセス」
(ほ、ほわぁぁぁぁぁっ)
首を少し斜めにして、ほんわりと目を細めて笑う。
あたたかくて思わずこっちまで笑顔になっちゃうキラースマイル。
(だ、だめだ。 動悸が……っ!!)
憧れの大好きな先輩が自分だけに微笑んでいる。しかもプリンセスとか言われちゃって甘く微笑まれ、大慌てなあたし。手に汗もびっしょり。
(こ、これ……夢なんかじゃないよねっ)
これ以上ないくらいに幸せにひたっていると、いきなり『これ以上』を超える質問がふってくる。