*―い じ め―*
ささいな事。
新しい世界で。
バンッッ
「愛菜、お前ムカつくんだよ。
一生、そん中にいれば―?」
「うっわあ、
恭華、悪――い。」
「なんで――?」
「なんか、どんどん怖くなって来てる!」
「梨子は嫌ぁ?」
「ぜぇんぜんっ!
むしろ、楽しいし。」
「だよね――!」
「なんか一言、言ってやりなよ。」
「そ―だよね…。」
そして恭華は、トイレのドアを睨み付け、
「お前、まじウザい。
消えろ。」
「行こっ!恭華。」
「うん。」
バタバタバタ……。
足音が遠くなって行った。
「ヒック…ウッ…。」
ピチャン……。
ピチャン……。
愛菜が泣く度に…。
愛菜の髪の毛から雫が滴り落ちた。
―1時間目、終わり。―
「キャハハはっ」
ピチャン……。
ピチャン……。
「ね、なんか水の音、しない?」
「私も今思った……。」
「藍も?」
「うん……。」
そうして、
藍と里沙は水の音が、聞こえるトイレのドアの前に立った。
「開けてよ。藍。」
「やだよ……里沙が開けてよ。」
「じゃあ一緒に開けよ?」
「うんっ!!
じゃあ、せ―ので開けるよ。」
「「せ―の」」
カタンッッ……。
二人は顔を見合せた。
「「愛……菜…?」」