*―い じ め―*

裏切り。



「は―い!!
一年生はここに並んで――!!」


先輩の声が響く入学式の朝。

今日は藍と里沙と歩いて学校まで来たんだ。


「眠――…」


「って……私等、最後っぽくない?」


周りには4人か5人ぐらいしかいない。


「クラス表、見に行こ―!!」


「「うん!!」」


私達はクラス表を見て、唖然とした。


「里沙……。」


私と藍は1―A……。
里沙は1―B……。


「アハハハ……離れちゃった……。」


「……。」


里沙は下を向いた。

不安だよね…。

ずっといじめられて来たのに……。

いじめは3人で乗り越えてきたのに……。

ねぇ神様……。

なんで貴方はこんな悪戯をするの…?


「里沙…」


「……入学そうそう遅刻なんてやだよっ!!
ほら!行こっ?」


里沙の笑顔は作り笑顔だった。


「「うん……。」」


私達は先輩達が必死で並ばせている列の、
自分のクラスの列に並んだ。


里沙は違う列に並んでいる私と藍を見ないようにしていた。


< 17 / 40 >

この作品をシェア

pagetop