*―い じ め―*


ガラッ

教室のドアが開いた。

シーンと教室が静まりかえる。


「おぉ~……
やけに静かだなぁー」


ドアから笑いながら入ってきたのは、40半ばぐらいの男の先生だった。


「今日から、みんなのクラス、1―Aを担当する!鷺元 康則だ!よろしくな!」


まだ、みんなはシーンっとしている。

その様子にちょっと困り気味の先生は、
今日の時間の予定を言いだした。


「えぇ~…っと…
今日は…今から体育会に行って入学式だ!
その後は教室でいろんな説明だからな!?
入学式が終わったからって帰るなよ~」


誰も帰らないよ…

そう心の中で呟く。


「おっ!!」


先生は時計を見て、ヤバいと言う顔を見せた。


「時間がないぞ―!!
並べ―!!適当でいいから背の順だ!!」


この先生テキトーだなぁ…

私は高い方だから、後ろの方に並んだ。


「1年A組…!!
出発っ!!」


先生は勢いよく言った。

この先生……。
大丈夫かな…?

私は不安になった。


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