*―い じ め―*


「書けよ。」


「や…やだッ」


「ッ…今さっきみたいにしてほしいの?」


「クスクスッ…
恭華どうしたの?♪
言葉が男みたい♪」


「梨子…
分かってるでしょ?」


「クスッ…
分かってるよ♪」


「やだ…」


「はあ?
なら、書けよ。」


里沙はまた涙を流した。


「うっ…ひっく…
ゴメ…ンね…藍…愛菜…」


「素直じゃあ~ん…
じゃあ言うよ?」


「…は…ぃ」


里沙は震える手を押さえながら、
恭華が言う言葉を便せんに書いた。


「ほら…アンタの字らしく書いてよ?」


「……。」


里沙は心の中でなんども謝った。


藍…ゴメン……。

愛菜…ゴメン……。


「書けたあ?」


恭華は便せんが入った封筒を里沙から取り上げた。


「おっ♪書けてるじゃん♪」


「んじゃあ~…
靴箱に入れに行ってきて☆
里沙♪」


「えッ……?
私…?」


「あたりまえじゃん?
あたし等が入れてる所見られたら終わりなんだけど。」


「放課後だしぃ~♪
里沙も見られないって☆」


「うん…」


里沙は恭華から手紙を受けとると、

教室から出て、1―Aの靴箱へと向かった。


「本当…――
里沙ってイイ子だよねぇ♪梨子?」


「うん♪利用しやすいし…♪」


クスクスッっと恭華は笑った。


「見てろよ…愛菜…。」


< 23 / 40 >

この作品をシェア

pagetop