*―い じ め―*
「む………」
「何??聞こえない。」
「無………理ッッ……」
パンッ
里沙は頬をぶたれた。
「私達の言うこと聞けないの??」
後ろから梨子が言った。
「いじめろよ。」
低い声、
冷たく、重い視線―……
聞こえる愛菜達の笑い声―……
すべてが里沙をおかしくさせた。
「私がいじめられてるのによく笑えるよね。
私はあなた達がいる教室の前で今いじめられてるのに―……
助けてもくれないんだね。
教室に遊びに来るって言ってたのに、
約束したのに―……」
里沙はそうずっと繰り返していた。
「何コイツ。
頭おかしくなったの??」
「さぁ―……?」
それでもブツブツずっと呟く里沙。
「きしょく悪―……」
すると里沙は顔を上げ、立ち上がった。
「―……フフッ…
いじめてあげるよ。」
そう笑う里沙の顔は不気味な笑みを浮かべていた。