*―い じ め―*


里沙が……


ころがってる。


顔には血の気がなくて、


青冷めてて…


あんなに可愛かった顔は…


血で真っ赤……


あんなに…似合ってたロングの茶色気の髪も。


赤黒い血がこびりついてる。


「里沙………?」


藍が里沙に近寄って座りこむ。


「里沙ぁ……?
寝てるんでしょう……
早く起きなきゃッ…」


藍は一生懸命起こそうと体を持ち上げる。


里沙の力が入ってない体は重みを増している。


「……ッッ…もう…やめなよっ」


走って駆け寄り、藍の手をはらう。


「やめてよおぉ!!
里沙がこんな所で寝てるんだよ!?
起こしてあげなきゃ…っ」


「いい加減…
現実見てよ!!!!!」


自分で思っていたより少し大きい声がでた。


「…この里沙の姿が寝てるだけだと思えるの!?
なんでちゃんと現実を見て判断しようとしないの!?」


「なんで……?」


「…………へ…?」


「なんで…
愛菜はそんなに…

冷静でいられるの……?
私には理解できない……」


「……………。」


我に帰り、考えたら…


私は冷静すぎる……


目の前に…人が…


いや、


親友とも言えるべき、里沙が……


「倒れて…死んで…る」


「ちょっ…愛菜待って!まだ死んでるとは……」


心の底から何かがこみあげてくる。


「愛……」


私のせい…


私のせいだ…

里沙と仲が良かった藍と私が同じクラスになって、

里沙はよりによって恭華達と一緒のクラスになった。


私は本当の里沙の心の中にある悲しみにも気付かず、
約束をも、
誕生日に誕生日パーティーの計画を休み時間するのも忘れて……


笑って……


「いやあぁぁあああああーーー!!!!」


私はただ自分を責め続けていた。


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