*―い じ め―*


「藤本!!落ち着け!!」


「藤本さん!!」


ただ鳴り響く
救急車のサイレンの音が頭に妙にこびりつく。


「いやあぁぁあああああーーー!!」


どうやら私は発狂しているようだ。


頭では冷静に判断できるのに…


声は、おさまらない。


自分でも頭がおかしくなったんじゃないか。って思うけど。


里沙の苦しみを…
考えるだけで発狂せずにはいられなくなる。


「あい…なッ」


そんな私を皆は気持ち悪いという目で見る。

ただの野次馬。


「いやあぁぁあああああッ
いやっいやあいやいや………」


頭が、体が、細胞が、

私を責める。


「分かったから言わないでえぇええええーーーーー!!!!」


私は狂っている。


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