*―い じ め―*
ガララララ……。
「!?」
私はとっさに服を元に戻した。
「ごめんなさいね~
ドライヤー、持ってきたの。」
そう言って保健の先生はドライヤーのコンセントを差し込んだ。
「はぁい。
向こうむいて。」
「はい……」
「……。」
あれ?
私今……
素直に“はい”なんて言っちゃった…。
「でっ…できます!!
自分で…。」
「愛菜ちゃん??」
そう言いながら保健の先生は悪戯に笑いながら私の顔を覗きこんだ。
「今更何を言ってるの?」
「は?」
「先生は今嬉しかったのに……
そんな事、愛菜さんが言ったら悲しくなっちゃうじゃない……」
な……。
何いい歳して可愛い子ぶってんだ……。
この先生は…。
「やっぱり…
嫌?」
私は面倒くさくなった。
「別に……
いいです…。」
「あら!本当?
やった―!!」
そう言って先生はルンルンしながら、
私の髪の毛を丁寧に乾かしてくれた。
「よぉしっ…
もうOKよ!」
「あ、はい。
ありがとうございました!」
「悩みとかあったら聞くからねっ!」
「はいっ!
ありがとうございます!
失礼しました。」
パタンッ
満面の笑みを見せながら扉を閉めた。
「ふぅ……」
教室……。
行きたくないな……。
ここの階段を上がればすぐの所に私の教室はある。
「よし……」
パンパンッ
自分の頬を二回ほど叩き、
気持ちを入れ替えた。