*―い じ め―*
ザワザワ……
いつもより騒がしい教室。
なんでだろ……?
私はそんな事を思いながら教室に一歩、
踏み出した。
シーン……
え……?
「なに?あんた。」
恭華だ……。
「は?」
「だぁかぁら!
あんたは誰だっつってんだよ!!」
そんな逆ギレされても……
「藤本 愛菜…。」
「……プッ」
「こいつマジで言ってるよ――!!」
「意味分かんなぁい!キャハハハハッ」
「あんた転校生なの?
ププッ…」
「あんた達が言ってきたんでしょ?
頭イカれてんじゃないの?
この腐れ野郎どもが。」
「……はあ?」
「ね、恭華!
今の聞いた?」
「聞いた聞いた!!
何チョーシこいてんの?」
「トイレで私の上からホースで水かけたの。
あんた達でしょ?」
恭華と梨子は焦った。
「は……はあ?」
「何言ってんの?
私等教室いたし。」
「私が会話聞いてないとでも思ってんの?」
「……クッ」
「ね、恭華!
コイツ、仲間ができたと思って安心してんだよ!」
梨子のフォロー。
「仲間……?
プッ……笑わせんな。」
「え?」
「ほら!藍、里沙。」
私は恭華の目線の先を見た。
そこには半ベソでビクビクしながらこっちへ歩いて来ている藍と里沙がいた。
「ごめん……恭華、梨子」
「ごめん……。」
は…?
なんで藍と里沙が……。
「なんでごめんなの?」
「理由…言ってよ」
梨子がこっちを見ながら笑ってくる。
「愛菜を保健室まで連れて行った事……」
「里沙は?」
「藍と一緒……」
そうして恭華は私の方に向き直して言った。
「ほらね?
アンタになんか仲間なんていないんだよ。」
恭華はクラスの全員を指差して言った。